- Horizon 地平線の問題
宇宙の年齢に限りがあるのなら、互いに情報を交換する範囲が限られるはずである。それなのになぜ、宇宙背景輻射の温度がどの方向でも同じなのか。
- Flatness 平坦性の問題
現在の宇宙は非常に平坦である。なぜなのか。
big bang モデルだと、平坦さが 1 から遠ざかるはずである。平坦…宇宙の空間がゆがんでいない。三角形の内角の和が正確に180度になる。
- Monopole モノポールの問題
Grand Unified Theory
によると、宇宙には大質量の magnetic monopoles が、大量にあるはずである。
しかし、見つからない。
- 粒子の総数の問題
観測できる現在の宇宙に含まれる粒子の総数は
1088 個。
big bang 理論で予想する粒子は 10個。
inflation theory が解決する。
現在の宇宙背景輻射の特質として次の2つがある。
1. 1万分の1の精度で、等方的(isotoropic)、一様(homogeneous)。
2. 10万分の1の変動がある。
インフレイションは、この両方を予測する。
inflation theory は、前述の問題点を解決するとともに、新しい素粒子理論、標準理論・大統一理論と宇宙の理論を結びつけた理論として、魅力があった。
inflationary theory
1979年、アメリカのAlan Guthが、アインシュタインの宇宙方程式の別の解を見つけた。非常に短い間に指数関数的に急激に膨張する解である。10-35 秒ごとに、半径が2倍になる。それが、
big bang の普通の膨張の前にあったとする。その時期に、宇宙の一様性や平坦性が確立された。

http://phyun5.ucr.edu/~wudka/physics7/notes_www/node125.html
>> 観測結果 2003/3
>> 次元 2003/3
>> いろいろな inflationary theory 2001/1
>> semilocal strings
>> 銀河の形成 2003/3
>> 太陽系の形成 2003/3
宇宙の歴史 |
宇宙の 年齢 |
温度 |
Energy |
宇宙の 大きさ |
できごと |
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superstrings とか semilocal strings
の理論で解決できる? |
量子重力 The Plank Era |
5.4*10-44
秒 |
1.4*1032
K |
1.2*1019 GeV |
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宇宙の大きさが、そのプランクスケールより小さい。4つの力がすべて同じ。相対論の限界。これより前は、量子重力の理論を作らなければならない。4つの力は1つに統一されている。
Plank Length 1.6*10-33 cm 密度 1094 g/cm3 |
1*10-43 |
1032 K |
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10-35
cm |
Plank Era の終わり。重力が他の3つの力から分かれる。第1の相転移。Grand
Unified Theory Era |
インフレイション 対称性の破れ The Inflationary Era |
10-38 秒 |
1029 K |
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- |
10-35 |
1028 K |
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宇宙全体が、1個の陽子の10億分の1の大きさ。
3つの力(電磁力+弱い核力+強い核力)の大統一理論の自発的破れ。第2の相転移。インフレイションの始まり。 |
10-34 |
1027 K |
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faulse vacuum から true vacuum へ。
体積が1030〜1060倍になった。 |
10-32 |
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インフレイションの終わり。 big bang
の始まり。 |
quarkとleptonの時代 The Quark-Lepton Era |
10-32 秒 |
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光子や gluon (quark を結びつける素粒子)や粒子・反粒子が混然となった状態。W
boson と Z boson がたくさん存在する。それらのエネルギーが物質のエネルギーをはるかに多い。
Electroweak era |
10-11 |
3*1015
K |
200 Gev |
光で
2分 |
quark + anti-quark
<-> 輻射エネルギー であったのが、エネルギーが下がり、物質が残るようになってきた。
quark が anti-quark より数が多くなった。(謎?) 2つの力(電磁力+弱い核力)の統一理論の自発的破れ |
10-10 |
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宇宙のエネルギー密度が下がり、自発的に対称性が破れる。 weak
nuclear boson はここまで質量がなく、力は無限に届いていたが、質量を持つことになり、力は核程度の大きさ10-16cmにしか及ばなくなった。 |
2*10-7 |
2*1013
K |
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太陽系 |
tauon と anti-tauon の対消滅。 |
1*10-5 |
1.2*1013
K |
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光で 1.4日 |
エネルギーが下がり、光子から protons
ができなくなる。 |
|
1*1013
K |
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エネルギーが下がり、光子から quarks
ができなくなる。 |
7*10-5 |
3*1012
K |
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muon と anti-muon の対消滅 |
1*10-5 |
2*1012
K |
300 Mev |
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quarkが結合しhadronになる、結合していない
quark がなくなる。 |
5*10-4 |
4*1011
K |
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baryon が anti-baryon より多くなる。10億分の1だけ
baryon が多かった。 |
10-4 |
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単独の quark と gluon がなくなり、
baryon と meson に吸収される。この時から、現在の宇宙を構成する物質になる。 |
0.1 |
3*1010
K |
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N <-> p + e-
+ νe' neutrino が再結合。弱い力による核相互作用によって、中性子とニュートリノが、陽子と電子に変化する。 |
1 |
1010 K |
1 MeV |
4光年 |
弱い力による核相互作用が起こらなくなり、中性子が、陽子10個に対して、1個残った。中性子の平均寿命は10分30秒なので、まだまだ生き残る。 |
10 |
5*109 K |
|
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電子と陽電子の対消滅 annihilation |
輻射の時代
The Radiation Era |
100 秒 |
109 K |
|
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photon のエネルギーが下がり、陽子同士が結合し始め、プラズマ状態の(プラス2の電荷を持つ)ヘリウムが出来始めた。nucleosynthesis
(helium making) |
3分 |
109 K |
100 KeV |
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電子が核に捕らえられ、原子ができ、水素やヘリウムができた。nucleosynthesis
光が自由に伝搬する。現在の宇宙背景輻射はこのときの名残。
|
200 秒 |
8.4*108
K |
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55 光年 |
photon のエネルギーが下がり、陽子同士が電気的な反発力を乗り越えられなくなり、結合できなくなった。nucleosynthesis
の終わり。ヘリウムができなくなった。 ヘリウムは、水素10個に対して、1個できた。 |
1000 秒 |
4*108 K |
|
|
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4*1010 秒 |
6万 K |
|
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(物質密度)=(輻射密度) 3000年 |
物質の時代 |
30万年 |
3500 K |
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宇宙全体が、現在の太陽の表面温度よりやや低いぐらい。 |
50万年 |
3000 |
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150万 光年 |
電子が陽子や中性子と結合し、自由に飛び回る電子がなくなった。再結合(電子と陽子が結合し、電気的中性なガスを作った)*「再」には宇宙論的な意味はない。プラズマの状態から、中性の物質へ。宇宙は、水素やヘリウムリチウムが占めた。
transparent Photon decoupling |
10億年 |
|
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宇宙全体を支配する力は重力になる。星が出来始める。 |
現在 4*1017
秒 |
3 K |
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現在の baryon の数は、宇宙背景輻射の光子の数の10億分の1 |
inflationary theory
インフレイションが起きるためには、エネルギ密度が急激にさがるのではなく、ゆっくり下がる、準安定的な状態が必要である。それが、
false vacuum という状態である。
水を静かに冷やすと、0度以下になっても、氷にならない場合、過冷却(
supercooling )の状態ができる。振動などのきっかけがあると、急激に氷りになる、相転移(
phase transition )が起き、エネルギーが放出される。(エネルギーを与えると、氷が解け、水になるという相転移の逆の過程)。同じようなことが宇宙にも起きたとする。
宇宙の誕生後 10-35 秒が過ぎ、温度が下がり 1028 K になった頃、大統一理論によれば、3つの力(電磁力+弱い核力+強い核力)から、強い核力が分かれる。ただし、スムーズにわかれのではなく、過冷却の状態が起こりうる。過冷却の状態の
faulse vacuum から true vacuum へ移る際に、エネルギーが解放され、反発力となり、物質を生み出す。この間、宇宙のエネルギー密度が一定で、膨張率も一定。
faulse vacuum … 3つの力は同一の状態、重力だけ分かれている
true vacuum … 電磁力と弱い核力が同一の状態、重力と強い核力が分かれている
4つの力全部が分かれるのは、インフレイションが終わり、普通のビッグバンで膨張している時に起こる。
この時は、過冷却なんてことは起こらないのか?
vacuum は、「何もない」という意味ではなく、最低のエネルギー状態ということ。
faulse vacuum は「偽(にせ)の真空」と訳されるが、Guth 自信は、 faulse は 「一時的な
temporary 」という意味で使ったと言っている。
inflation の前は、非常に小さいので、情報が伝わるのに十分が時間があることになり、一様になり、それが、急激な膨張により、宇宙の大きさへと広がっていく。
inflation が終わると、エネルギーが解放され、宇宙の物質の源になり、 big bang
へと移っていく。
現在は、3*1017秒(100億年)ごとに、半径が2倍になる。
スカラー場があると必ず false vacuum が自然に起きる。スカラー場とは、ベクトル場に対する言葉。ベクトル場とは、その場所に応じて、方向までも考える場。電磁場など。スカラー場とは、その場所に応じて、数値だけが関係する場。温度とか、大気圧など。
素粒子論の標準理論の the Higgs fields や、大統一理論( grand unified theories )は、スカラー場である。
the Higgs fields を、標準理論では4個、 大統一理論では24個含む。
faulse vacuum は、マイナスの圧力を持っている。普通の正の圧力は、相対性理論により、重力場を生み出す。マイナスの圧力は、反重力を生み出し、急激な膨張を起こす。
inflation の間 false vacuum energy density (密度) はほとんど一定、大きさは急激に膨張するので、全エネルギは
1075 倍になる。そのエネルギーはどこから来たのか。重力エネルギーは、負のエネルギなので、そこから、宇宙全体の物質のエネルギーを得ることになる。物質のエネルギーと重力のエネルギーの和は
0 であって、変わらない。
重力エネルギーが、無尽蔵に物質エネルギーを生み出すという意味で、宇宙は
the ultimate free lunch 究極の無銭飲食だと言うことがある。
ただし、Linde は、相転移は必要なく、急激な膨張が起きるとしている。
重力エネルギーはマイナスであることの説明
球の表面に質量が一定の密度・厚さで分布している球殻を考える。
球の外部の質点には、球の中心に向かう引力が働く。重力場が存在する。
一方、球の内部の質点には、重力は働かない。重力場はない。(この事は、高校の物理で学ぶ)
球殻場の点には、球の中心に向かう引力が働く。
この球殻が球の形を保ちながら小さくなることを考える。
小さくなるにつれ、エネルギーを取り出すことができる。
一方、球の半径が小さくなり、外部の重力場は範囲が広がった。
すなわち、エネルギーを外に放出して、新しい重力場ができた。その新しくできた重力場のエネルギーは最初より小さくならなくてはならない。新しくできた重力場は、最初は、球の内部にあり、重力場は0であったのだから、新しくできた重力場はマイナスでなければならない。
faulse vacuum は、マイナスの圧力を持っていることの説明
空気が入っているピストンと、 false vacuum が入っているピストンを考える。ピストンを引き、体積を膨張させる。
|
エネルギー密度 |
全エネルギー |
ピストンを引くことで外部から |
ピストンを押す圧力 |
空気 |
小さくなる |
小さくなる |
エネルギーを奪った |
正 |
false vacuum |
ほとんど一定 |
大きくなる |
エネルギーを与えた |
負 |
一般相対性理論によれば、エネルギーがあるだけで、重力を生み出す、すなわち、引力を生み出す。faulse
vacuum も重力を生み出すが、圧力が負であって、反発力を生み出し、重力の効果をうち消してしまう。
対称性の自発的な破れ
標準理論では、
電子とニュートリノの間の対称性が破れる。
大統一理論では、
電子とニュートリノとクォークの間の対称性が自発的に破れる。
大きさ
|
大きさ m |
粒子 |
原子や分子 |
10-10 |
原子核 |
10-14〜10-15 |
素粒子 |
10-15〜10-18 |
Plank Length |
10-35 |
観測できる宇宙 |
現在 |
1027 |
1秒後 |
1015 |
inflation の終わり |
1 |
inflation の始まり |
10-50 |
the critical mass density : ρc
= 3H2 / 8πG
ただし、H : the Hubble constant G :
Newton's gravitaional constant
H=75km/s/Mpc とすると ρc=1.1*10-23
g/m3
陽子・中性子1個は 1.7*10-24gだから、1辺1mの立方体に6個ぐらい。
Ω = ρ/ρc
ただし、ρ : the actual mass density
the cosmological constant Λ が 0 の時は
Ω>1 => 膨張が止まり、その後、つぶれる
recollapse 。宇宙は closed 。三角形の内角の和は180度より大きい。
Ω=1 =>
膨張は止まらない。宇宙は平坦 flat 。三角形の内角の和は180度になる。
Ω<1
=> 膨張 は止まらない。宇宙は open。三角形の内角の和は180度より小さい。
the cosmological constant Λ が 0 でない時は、
上の式のΩを次の式に修正する必要がある。 Ω
=> Ω+Λ/3H2