Relativity2 特殊相対性理論

中学生にもわかる特殊相対性理論 2002年3月製作

宇宙のページ

質問をどうぞ

@ 前ページのまとめ

  1. 同時性の破れ
    常識で考えれば、ある人にとって違う場所で同時に起きた事は、他の人にとっても同時である。
    しかし、光の速さが、どのように動いている人から見ても同じであることを考えに入れると、ある人にとって違う場所で同時に起きたことが、別の動いている人が見ると、同時には見えないことが起きる。
  2. 時間のずれ
    長さ 2c 、右に速さ v で走る新幹線を考える。真ん中にいる人、運転手さん、車掌さんの3人の時計を考える。
    新幹線の中で、3人の時計は合わせたとしよう。真ん中の時計は正しいとして、地上から観測すると、
    運転手さんの時計は、 (v/c) / root((1-(v/c)2) の遅れ、
    車掌さんは  (v/c) / root(1-(v/c)2) の進みを示す。
  3. 時間の遅れ
    速さ v で進む新幹線の中での2つのできごとが、ΔT の時間間隔で起きた。それを地上で観測した時の、時間間隔を Δt とすると、
    Δt / ΔT = 1 / root(1-(v/c)2) すなわち、 Δt > ΔT すなわち、時間が多くかかるように観測される。
  4. 長さの短縮
    速さ v で進む新幹線の長さを L0 、地上で観測される長さを L とすると、
    L/Lo = root(1-(v/c)^2) すなわち、 L < Lo すなわち、長さが短くなったように観測される。
  5. 距離の短縮
    地球から距離 So にある星まで、速さ v のロケットで行く。
    ロケットに乗っている人が観測する距離 S は、
    S/So = root(1-(v/c)^2) すなわち、  S < So すなわち、距離が短くなったように観測される。

@ 進行方向と直角の方向の長さを考える

進行方向の長さは、縮んでいるように観測される。進行方向と直角の方向の長さは縮むのか。動いている新幹線の高さは低くなるのか。結論は、こうだ。低くならない。なぜか。

長さ L1 の棒と、長さ L2 の棒を用意し、縦に立てる。止まっている状態では、 L1 = L2 であるとしよう。

L2 の棒を横に動かす。長さが仮に短くなるとすれば、 L1 > L2

L2の棒にとっては、もう一方の棒 L1 が動いているのだから、動いている物が短くなるとすれば、 L1 < L2

2つの結果は矛盾している。2つの棒の長さはすれ違う時に同時に、同じ場所で比べることができる。そこに時間のずれはない。同時に同じ場所で比べた長さが、見ている人にとって、結果が違うことはありえない。進行方向と直角の方向の長さは縮むと仮定すると矛盾が生じることになる。すなわち、進行方向と直角の方向の長さは変わらないとするしかないことがわかる。

結論…進行方向と直角の向きの長さに変化はない。

@ 時間の遅れは、実際にはどのように見えるか

動いている物体の時計は、地上のいろいろな場所に置かれた時計で観測すれば、ゆっくりすすんでいるように観測される。だが、地上の1つの場所にいる人に、実際にどのように見えるかは、また、別の問題だ。

速さ v で右に進む新幹線を考える。1秒ごとにチカチカ光を点滅することにしよう。
地上の時計では、 1 / root(1-(v/c)2) ごとにチカチカするのが観測される。では、地上の1つの場所にいる人にはどのように見えるか。新幹線が近づいてくる時と、離れていく時では、見え方が異なる。

近づいて来るときを考える。0秒でちょうど目の前で光ることにする。新幹線の中での1秒前に光った光は、地上では何秒前につくのだろうか。

新幹線の中の1秒前は、地上では、 1 / root(1-(v/c)2) 前だ。その間に、新幹線は v / root(1-(v/c)2) だけ移動する。 v / root(1-(v/c)2) だけ離れた所から、光が届くのにかかる時間は、 (v/c) * (1/ root(1-(v/c)2))
現在より 1 / root(1-(v/c)2) 前に出た光が、 (v/c) * (1/ root(1-(v/c)2)) だけかかって地上にいる人に届くので、実際に光が届く時間 Δt のは、その2つの量の差をとって、

Δt = 1 / root(1-(v/c)2) - (v/c) * (1/ root(1-(v/c)2)) = (1 - (v/c)) / (root(1-(v/c)2))
= root( (1 - (v/c)) / (1 + (v/c)))

例えば、 v/c = 3/5 の時、 Δt = 1/2

近づいて来る新幹線の中で1秒ごとにチカチカした光は、地上にいる人には、0.5秒ごとにチカチカするように見える。実際には、新幹線内のできごとが、早送りの状態で見えることになる。

遠ざかるときを考える。0秒でちょうど目の前で光ることにする。新幹線の中での1秒後に光った光は、地上では何秒後につくのだろうか。

新幹線の中の1秒後は、地上では、 1 / root(1-(v/c)2) 後だ。その間に、新幹線は v / root(1-(v/c)2) だけ移動する。 v / root(1-(v/c)2) だけ離れた所から、光が届くのにかかる時間は、 (v/c) * (1/ root(1-(v/c)2))
現在より 1 / root(1-(v/c)2) 後に出た光が、 (v/c) * (1/ root(1-(v/c)2)) だけかかって地上にいる人に届くので、実際に光が届くのは、その2つの量の和をとって、

ΔT = 1 / root(1-(v/c)2) + (v/c) * (1/ root(1-(v/c)2)) = (1 + (v/c)) / (root(1-(v/c)2))
= root( (1 + (v/c)) / (1 - (v/c)))

例えば、 v/c = 3/5 の時、ΔT = 2

遠ざかる新幹線の中で1秒ごとにチカチカした光は、地上にいる人には、2秒ごとにチカチカするように見える。実際には、新幹線内のできごとが、さらにゆっくりとしたスローモーションに見える。

@ ドップラー効果

速さ v で近づいて来る物体が、振動数 ν0 の光を出すとする。地上で観測される振動数をνはどうなるだろうか。

1つの波がでるのにかかる時間を ΔT 、地上で観測される1つの波が届くのにかかる時間を Δt とすると、
ΔT / Δt =  root( (1 - (v/c)) / (1 + (v/c)))

振動数とは、1秒間に何回光の波が出るかを表す量である。(振動数) = 1 / Δt の関係があるから、

ν / ν0 = Δt / ΔT = 1 / root( (1 - (v/c)) / (1 + (v/c))) = root( (1 + (v/c)) / (1 - (v/c)))

速さ v で遠ざかる時は、

ν / ν0 = Δt / ΔT = c / (1 + (v/c))) = root( (1 - (v/c)) / (1 + (v/c)))

例えば、 v/c = 3/5 で遠ざかる時、ν / ν0 = 1/2

振動数は半分になる。波長は2倍になる。青い光から、赤い光のほうへずれることになる。宇宙は膨張しているので、遠くの星の光は、赤いほうへ色が変色する。これを、「赤方偏移」と言う。

@ 双子のパラドックス

2.4光年離れた星に、速さ 3c/5 のロケットで行って帰って来る事を考えよう。

ロケットに乗っている人にとっては、2.4/0.6=4 4年かかって星につき、4年かかって帰って来る事になる。歳は8才増える。

地球にいる人にとっては、8年*1 / root(1-(v/c)2)8*5/4=10 10年かかっている。地球上の人は10才歳をとる。

ロケットから生テレビ中継を8年間してもらうことにしよう。
行きは、速さ 3c/5 で遠ざかっていくので、2倍の時間がかかるように見える。4年間のテレビが終わるのに、8年間かかる。
帰りは、1/2の速さで早回しに見えるから、4年間のテレビが2年間で終える。
両方合わせて、8+2=10 10年間かかって、生テレビ中継が終えることになる。

この結果は、先ほどの10才歳をとるという結果と一致する。

@ 回りの景色はどう見えるか

新幹線/ロケットから外を見ると、景色はどう見えるか。日常の生活の中では、乗り物の速さは、光の速さに比べて遅いので、現実の世界そのももが、実際に目に見えていると確信している。乗り物の速さが大きくなると、どう見えるのだろうか。

新幹線の前のある地点から来た光が新幹線に届く頃には、その地点はどんどん新幹線に近づいているので、実は目の前に迫っていたということがありうる。地上から見て、新幹線のすぐ目の前にある物を、新幹線内の人は、遠くにあると認識している。

新幹線の後ろのある地点から来た光が新幹線に届く頃には、その地点はどんどん新幹線から遠ざかっている。地上から見て、新幹線からすでに遠く離れた物を、新幹線内の人は、まだ近くにあると認識している。

斜め前からくる光が新幹線に届く頃には、その物体はすでに、新幹線の真横に来ているということが起きる。

真横から来る光が新幹線に届く頃には、その物体はすでに、新幹線の真横を通り過ぎて、斜め後ろに行ってしまったということが起きる。

以上をまとめれば

  1. 目の前にあるものは、遠くにあるように見える。色は実際より青っぽくなる。赤外線が可視光になる。
  2. 後ろにあるものは、近くあるように見える。色は実際より赤っぽくなる。紫外線が可視光になる。
  3. 真横にあるものは、斜め前にあるように見える。
  4. 斜め後ろにある物は、真横にあるように見える。

まとめれば、景色が前方に集まってくるような感じになる。

@ 正方形はどう見えるか

横に動く正方形は実際どう見えるか。進行方向に短くなって、長方形に見えるのだろうか。実は、正方形が向きを斜めにして、横に動いていくように見えるそうだ。

特殊相対性理論-その3-