量子論と相対論を統合する試み
量子論と相対論は、それぞれ、正しいとされている。ところが、重力を扱う相対論を、非常に小さい領域を扱う量子論と統合する理論は、2003年の時点で、できていない。
量子論と相対論を統合する試みには、次のようなものがある。
- 超ひも理論 super string
- ループ量子重力理論 Loop Quantum Gravity
- VSL理論 Varying Speed of Light
特殊相対性理論の仮定のひとつに、光の速さは、観測者の速さによらず一定であるというのがある。しかし、非常に小さい長さや、非常に短い時間、非常に大きなエネルギーでの領域では、光の速さが大きくなるのではないかというのが、VSL理論だ。
一般相対性理論理論
一般相対性理論は特殊相対性理論とは違って、重力を扱う理論。
重力は力でなく、空間そのものを曲げている原因だとする。物体は、重力に引っ張られて動くのではなく、空間のゆがみにしたがって、曲がった時空における最短距離を動く。したがって、重い物体も軽い物体も同じ軌道をえがく、同じように落ちる。
ビッグバンの問題点
宇宙はビッグバンから始まった。しかし、ビッグバン理論には、次のような問題点があった。
- Horizon 地平線の問題
現在の宇宙は、大きく見れば、一様である。どの方向を見ても、全体的には、同じように見える。宇宙背景輻射を見ても、太陽系全体の動きによる効果を取り除けば、10万分の1のゆらぎがあるだけで、完全に一様であると言ってもいいぐらいだ。宇宙がある時から始まったとすると、その時間に光が届く距離、すなわち、情報が届く距離は限られている。現在の宇宙は、その距離よりも大きい。情報が届かない距離にあるものが、どうしてみな同じように見えるのだろうか。それが、地平線の問題である。
- Flatness 平坦性の問題
宇宙に大きな三角形を作ろう。内角の和を求めよう。現在の宇宙では、正確に180度になるようだ。空間はゆがんでいない、平坦な宇宙である。しかし、相対性理論を宇宙全体に適応すると、必ずしも平坦でなくてよいわけで、内角の和が180度より小さい宇宙(開いた宇宙)や、内角の和が180度より大きい宇宙(閉じた宇宙)が、考えられる。しかも、ビッグバン理論では、宇宙が誕生した時に少しでも平坦でなければ、そのズレがだんだん大きくなるはずで、このような平坦さが保たれているのは、謎がある。 - Monopole モノポールの問題
Grand Unified Theory
によると、宇宙には大質量の magnetic monopoles が、大量にあるはずである。
しかし、見つからない。
- 粒子の総数の問題
観測できる現在の宇宙に含まれる粒子の総数は
1088 個。
big bang 理論で予想する粒子は 10個。
inflation
theroy
宇宙のごく初期に、指数関数的な急激な膨張があったとする説。< 宇宙の始まり始まり > < いろいろな inflationary theory > 地平性問題と平坦性問題を解決する。
VSL理論
inflation theoryでなくても、宇宙のごく初期に、光の速さが大きかったら、地平線問題を解決できるのはないかというのが、VSL理論だ。
プランク長さ 10^(-33)cm より小さい距離や、プランク時間 10^(-43)秒より短い時間、プレンクエネルギーより大きいエネルギでは、光の速さが大きくなるとする。
エネルギー保存、宇宙の平坦性
- エネルギー保存則が破れる。
- 光速が変化すると、物質が生成されたり消滅したりする。
- 宇宙の物質が多くて、宇宙が閉じていると、エネルギーが宇宙から蒸発する。
- 宇宙の物質が少なくて、宇宙が開いていると、エネルギーが真空から生まれる。
- したがって、宇宙は、自動的に、平坦な宇宙に近づいていく。
- ビッグバンの問題点の2つ目を、インフレーションなしで解決する。
原子微細構造定数
ブラックホール
ブラックホールの地平線の所で、光速が0になる。したがって、すべてのモノの速さが0になる。
cosmic
string
ひも理論のひもとは、関係なく、cosmic
stringという、予想されるモノがある。大統一理論により、宇宙の初期に、非常に幅の狭い、しかし、何光年もの長さを持ち、質量は太陽の数千万倍というモノである。ただし、存在する証拠は見つかっていない。
VSL理論によると、そのstringに沿って、光速が大きくなる。
空間が粒でできているとすると
空間が連続体であると考えられているが、プランク長さ 10^(-33)cm で、切られた、粒状のものであるとする理論がある。ループ量子重力も、そのひとつである。
光のエネルギが増し、振動数が大きくなり、波長がプランク長さに近づくと、空間が連続対でない影響が出てきて、振動数が大きいほど、その光の速さが大きくなる。すなわち、光の色によって、光の速さが異なる。
VSL理論での、エネルギー・質量
E:エネルギー m:質量 c:光速
Ep:プランクエネルギー:非常に大きい
特殊相対性理論では、
E=m*c^2
VSL理論では
E=m*c^2/(1+m*c^2/Ep)
普通の物質では、m*c^2/Ep は、ほとんど0であって、相対論と一致する相対を得る。
宇宙線 cosmic
rays
主に、光速に近い速さで飛んでくる陽子。他に、ヘリウム核(陽子2個+中性子2個)の場合もある。地球に飛び込んできて、大気中の原子と衝突し、宇宙線シャワーを起こす。超新星またはクエーサーからのものだと考えれている。
宇宙線の速さが大きいと、その宇宙線にとっては、宇宙背景輻射の光のエネルギーが増して見えるわけで、反応を起こし、中間子を生成し、エネルギーを失う。したがって、ある値を超える宇宙線は、地球まで届かないはずなのである。ところが、それよりも大きいエネルギを持つ宇宙線が観測された。従来の理論では説明がつかない。
|